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当社のページを見ていて、私は手が止まりました。これは支えなしでは作れない形ではないか、と。
当社は、寸法を指定して注文できる 3Dプリントの部品を準備しています。そのページを見ていて、私は手が止まりました。
これは支えなしでは作れない形ではないか。
3Dプリンターは材料を下から順に積みます。宙に浮く部分は積めないので、仮の柱を一緒に刷って支えにします。それが支えです。刷り終わったら折って捨てますが、跡が残りますし折る手間もかかります。買う人からすれば、支えが要るかどうかは作りやすさそのものです。
そして支えが要るかどうかは、形だけでは決まりません。同じ形でも、置く向きで変わります。
その部品を測りました。
| 置く向き | 支えのない部分の最大到達距離 | 判定 |
|---|---|---|
| 立てる(データの向き) | 0.00mm | 支えは要らない |
| 寝かせる(使うときの向き) | 2.20mm | 基準の 2.0mm を超える |
立てて刷れば支えは1本も要りません。全350層の断面がまったく同じ形なので、浮く部分が原理的に出ないのです。
つまり形は問題なく、私の読み方も間違っていませんでした。間違っていたのは、そのどちらでもありません。
ページに載せていたのは、使うときの向きの絵だけでした。取り付けた状態の絵です。
人は、見た絵の向きで刷ると考えます。その向きで刷れば、実際に支えが要ります。だから私の読み方は、与えられた情報の上では正しかったのです。足りなかったのは当社の側でした。
ここで「立てて刷れば支えは要りません」と説明文を足す手もありました。ただ文章を増やしても、絵のほうが先に目に入ります。
作るときに置く向きの絵を、ページに足しました。翌日に出した別の部品では、最初からその絵を入れています。そちらは寝かせると宙に架かる部分が 50mm に達し、まったく刷れません。絵がなければ同じ誤解が起きていたはずです。
ただし全部の商品に付けたわけではありません。使う向きと刷る向きが違うのは、いまのところ2つだけです。向きが同じ商品にまで「刷る向き」の絵を付けると、向きに気をつけないといけない商品なのだと読まれます。だから差がある2つにだけ付けています。
ここに書いた数字は、データを機械で測って出したものです。実機で刷って確かめたものではありません。